(大阪 伊丹 きゅらむんの鶏飯)
奄美の郷土料理 鶏飯
奄美大島の郷土料理の代表選手と言えば鶏飯です。炊き込みご飯の「とりめし」では無くて、「けいはん」と読みます。画像の通り、具材を乗せたご飯の上に、鶏の出汁をかけていただく、鶏茶漬けをイメージして貰うと良いです。
(大阪 都島 真心の鶏飯)
沖縄を始めとする南西諸島を見渡しても、鶏飯を食べる事が出来るのは奄美大島だけ。(もっとも最近では鹿児島でも名物料理として食べる事が出来るそうです)
(奄美大島 名瀬 とりせんの鶏飯)
いつ頃から奄美で鶏飯が食べられる様になったかと言えば、本当の所はよく判って居ないそうですが、奄美群島が薩摩藩の支配下に置かれていた頃、薩摩の役人をもてなす為に作られた料理だった、というのが一般的なルーツだと言われています。
今では奄美へ行くと、居酒屋や洒落たカフェに食堂、何処ででも食べる事の出来る郷土料理としてある鶏飯ですが、一般の者は食べる事は出来なかった、高級品だっとと言い、私が暮らした奄美の南部の地域では、鶏飯などは一般的な食事ではありませんでした。
空港がある北部へ出掛ける際に鶏飯を食べるのが楽しみだった事を良く覚えており、少なくとも、私の回りの大人たちは知らない食事だった事は間違いなく、鶏飯は、奄美の北部地域の郷土料理なんだろうなと言うのが、私が肌で感じている鶏飯です。
鶏飯レシピ
少し手間暇がかかるだけで、至ってシンプルな料理が鶏飯、それでいて皆に喜ばれるので、薩摩藩の役人のおもてなし料理だったというのは頷ける気がします。
某有名店で教えて貰ったレシピです。
寸胴鍋に鶏一匹をそのまま入れて、じっくり出汁を取るといいますが、家庭でのレシピとしては現実的ではありません。
・スーパーでも入手できる鶏ガラでアクを取りながら、しっかり出汁を取り、具材にはササミを使います。
・鶏ガラを数時間煮込んで、スープは、日本酒と塩と醤油で味付けします。ササミを鶏ガラを煮込む際に一緒に茹でると良いです。
・具材に使う茹でたササミは手で細かく裂くのがコツ。これが一番手間がかかります。
・椎茸を水で戻して、戻し汁に酒と醤油で濃い目に味漬けして薄切りにします。
・パパイヤの漬物、(手に入らなかったら奈良漬とかたくあんで代用)は細かくみじん切りに。
・薬味にネギや三つ葉。奄美で使われるみかんなどの柑橘系の皮もさっぱりとした風味が美味しさを引き立てます。
・錦糸卵もたっぷりと用意します。
ご飯の上にこれらの具材を乗せて、スープをかけていただきます。
鶏飯のフリーズドライ
今時の話ですから、鶏飯にはフリーズドライもあります。
当たり前の話ですが、鶏飯風と言った程度の食事ですが、お湯を注ぐだけで出来上がりという手軽さは、お土産などにも喜ばれますし、私自身も良く奄美の身やけどして購入して帰りますが、気がつけば無くなっているという人気ぶりです。
お手軽に鶏飯をという際に、フリーズドライはおすすめかと思います。
鶏飯の有名店
鶏飯の有名な店は北部を中心に、奄美大島の中心街名瀬などに幾つかあります。
中でも有名なのが、「ひさ倉」と「みなとや」です。両店ともに空港からのアクセスが良いので、奄美への行き帰りに是非立ち寄ってください。
ひさ倉
奄美空港から名瀬へと向かうR58号線沿いにあるひさ倉、私が奄美に暮らしていた頃に世話になっていた親戚が懇意にしており、足繁く訪れたお気に入りの店です。
昔と比べると店も大きくなり、観光客がひっきりなしに訪れる人気店です。
放し飼いの地鶏を使って、鉄鍋で運んでくるスープがめちゃくちゃ美味しいお店で、友人たちを奄美へ案内する際には当然、私自身も里帰りの際には、時間があれば必ず立ち寄る程、私の中では鶏飯と言えばひさ倉なのです。
鶏飯以外にも、鶏さしや焼鳥などもあって、鶏をたっぷりと楽しむ事が出来ます。
余談ですが、このひさ倉の隣にある豚豚亭というお店もおすすめで、こちらでは奄美大島固有の島豚料理を食べる事が出来ます。
みなとや
こちらは鶏飯の元祖のお店を謳うのが みなとや です。空港からは車で10分ほどの距離にあり、ひさ倉と同様に奄美への出入りの際に利用するに便利です。
ひさ倉とみなとや、どちらの鶏飯が美味しいか?違いは?とよく話題に上がりますが、実はよく判りません 笑
みなとやの方がスープの味が濃い(塩っけ)かなという程度で、それも訪れる度に違った感想だったりするので、これはもう、ご自身の舌で感じて貰うしかないなと言うのがアドバイスです。
通販などもやっているので、自分で作るので、という方も勉強の為に利用すると良いと思いますよ。近頃、私が住む大阪でも鶏飯をメニューに挙げる焼鳥店を時折見かけますが、正直な感想を述べれば「鶏飯食べた事あるのかな?」と言った店が多いので、鶏飯未体験な方は、是非一度、元祖鶏飯の店のメニューを味わって、味を確かめてみる事は悪くないと思います。